JUNYA OKUNO

CHIEF ENGINEER

「世界と戦えるテックカンパニーを目指す。」
会員数約200万人の大規模動画配信サービスの裏側を担うバックエンドエンジニアが考えるこれからのPLAY

大学院修了後、大学で研究職を続けていた奥野さん。
2015年にPLAY(旧株式会社ロジックロジック、以下:LL)に入社し、未経験からエンジニアキャリアをスタート。現在はバックエンドエンジニアとして大規模動画配信サービスを下支えしています。有名サービスを支えるプレッシャーとやりがい、そして新会社PLAYとして目指す将来像についてお話を伺いました。

スモールチームで大規模動画配信サービスを支える面白さ

研究職から一般企業に就職。様々な職種がある中で、システムエンジニア職を選ばれた経緯を教えてください。
奥野: 大学院修了後も大学に残っていたのですが、企業と連携したプロジェクトを進める中で自身のキャリアパスを考えることが多くなり、一般企業に就職する決断に至りました。
そのプロジェクトでは自然環境音のストリーミングを行なったのですが、そこで簡単なプログラムを書いたことが、数ある業種の中でシステムエンジニア職を選択した決断につながっています。
もともと学部生時代は建築を、大学院では環境学を専攻し都市・自然環境の研究をしていたのでプログラミングの経験はほとんどありませんでした。今思い返すと当時のプログラムは右も左もわからずとにかく動かすことに必死で書いていたのですが、すごく楽しかったのを今でも覚えています。
その経験から、あの有名なサービス・アプリはどのように作られているのかなと興味が膨らみ、システム開発の分野を選択しました。
数あるIT企業の中でPLAY(旧LL)に入社を決めたのはなぜですか?
奥野: PLAY(旧LL)を知ったきっかけは、プログラミングスキルを可視化するサービスを利用していて、そこでオファーを頂いたことです。
入社を決めた理由には、プログラムに興味を持つきっかけとなったプロジェクトと関連する動画配信事業を軸に開発を行っていたこと、また分野としても今後成長していく可能性があると思ったからです。
入社後からバックエンドエンジニアとして活躍されていますが、今はどういった業務を担当されていますか?
奥野:現在、主に携わっているのは動画配信サービスHuluのシステムリニューアルプロジェクトです。
動画再生時のユーザー認証、同時視聴台数制限のチェック、DRM(Digital Rights Management)を用いた動画ファイルの保護、ユーザーの視聴環境に合わせて動的に動画ファイルの書き換えを行うシステムの開発など、いわゆる動画配信サービスの裏方を担当しています。
動画配信の根幹部分にあたる部分なので、ユーザへの影響も大きくプレッシャーのある反面、非常にやりがいのある業務です。
国内有数の動画配信サービスHuluの裏側を担っていらっしゃるのですね。
BtoBビジネス×動画配信ならではの面白さや、大規模サービスを支えるやりがいは何でしょうか?
奥野: 何と言っても、たくさんのユーザーに自分が携わったシステムに触れてもらえるということが、大規模動画配信ならではの面白さであり、やりがいを感じる部分だと思います。

ドラマの見逃し配信やスピンオフ配信の告知をテレビ放送終了後に行うと、その効果で普段の数倍のリクエストが瞬間的に発生します。
このような急激なリクエスト負荷を捌くのは大変ですが、無事に乗り越えられた時の達成感は大きいですね。

また、BtoBビジネスではありますが、常にサービスを利用しているユーザーのことを意識して業務に取り組んでいます。
常に分間数万リクエストを捌き続ける。これはWebサービスの規模としては他の業界よりも圧倒的に多い数字です。
数百万のユーザーが利用するサービスをスモールチームで支えていることに、非常にやりがいを感じています。

個人のみではなく、社内全体の技術力の底上げを

技術習得にあたり具体的にどんなことを行なってきたのか、可能でしたら教えてください。
奥野:はい。業務上必要に迫られて独学で習得しました。現在私が開発しているバックエンドのアプリケーションはGoが中心となっています。他言語での開発と比較した時にGo言語で実装した方がパフォーマンスが良いと判断し言語選定に至りました。開発方針を決めた当時は社内にGo言語を用いたアプリケーションはなく、経験のあるエンジニアもいなかったので試行錯誤しながら独学で習得しました。
Go言語は最近上場したIT企業でも用いられるトレンドの開発言語ですよね。奥野さん個人が今後取り組みたいと思っていることはありますか?
奥野:そうですね。社内のエンジニアの技術力の底上げを行いたいと思っています。現在は、私がアプリケーションのコア部分を実装し、簡単な機能追加・軽微な修正をチーム内の他のエンジニアが行っています。Go言語で実装経験のあるエンジニアは社内でもまだまだ少数なのが現状です。Dockerを用いた開発環境の仮想化など、参画時の障壁を下げられる準備を行っている最中です。
日常的に心がけていることや、実践していることがあったら教えてください。
例えば、一般ユーザーとして動画配信サービスに触れ、新しい機能や技術を習得することはあるのでしょうか?
奥野:入社するまでは動画配信サービスに全く触れていませんでした。実は、入社してしばらくは業務以外で動画配信サービスに触れたくないなと思うことも多かったです。自分でしっかり実装できたと自信がついてようやく、競合他社の動画配信サービスに触れるようになりました。今では、様々な動画配信サービスに触れてバックエンドの処理を想像することもあります。
技術の習得に関しては、自分が能動的に集めることができる情報量には限界があるので、受動的に新しい情報を受け取ることができるように心がけています。Go言語で言えばGolang Weeklyというニュースレターのサブスクライブをしています。

PLAYを世界と戦えるテックカンパニーに

合併によって期待していることはありますか?
奥野:1つはビジネス視点。実は合併前から某大手衛星放送局様の案件を担当することもありました。LLは動画コンテンツ管理のためのCMSを提供し、動画配信部分をSUVTが担当して連携していたのですが、合併したことにより1つの案件をワンストップで行えるようになりました。この強みを生かした案件の獲得を期待しています。

エンジニア視点では、異なる開発文化をもった会社が1つになったので、それぞれの強みを共有する場を積極的に設け知見を共有していくことを期待しています。
社内勉強会などを行い技術力の向上を図りたいです。今携わっているプロジェクトが落ち着いたら、僕が主催してGo言語の社内技術勉強会を行いたいと思っています。
PLAYになったからこそ生まれるシナジーに期待されているんですね。
一方で、これからも踏襲したい風土や文化はありますか?
奥野:SUVTと比較するとLLは30名程度の小さな会社だったので、個人の裁量の範囲が広く、意思決定の早さが特長的でした。風通しも良く、新しい技術を取り入れることに貪欲な会社なので、PLAYになってもこういった風土や文化は踏襲したいです。
PLAYの新しいアイデンティティを作るにあたって、奥野さんが考えていることはありますか?
奥野:そうですね。個人的には代表の黒田がPLAY発足時に話していた「テックカンパニーとして日本国内で動画配信市場をリードできるポジションを目指す」という言葉を後押しできる技術力を持ったエンジニアで在りたいです。
その視点から見ると、まだまだ技術力が伴っていないと思っています。

例えば、誰もが知る自社サービスを開発・運営しているIT企業には、社外のエンジニアからも一目置かれるエンジニアが在籍し、しばしば技術カンファレンスで登壇しています。
そういったエンジニアを輩出できる会社にしたいですし、自分自身もそういったエンジニアになりたいと考えています。

あとは、PLAYの事業を国際展開したいです。動画配信の分野でも外資系企業が日本に進出しているので、国内での実績をしっかり作り、「世界と戦えるテックカンパニー」にしたいと考えています。