YUHEI UENO

CHIEF ENGINEER

会社名「PLAY」に込めた意味を、後押ししたい。
裏側を支えるエンジニアが持つユーザーへの思い

大学時代からAndroidOSのアプリ開発を経験し、新卒社員としてPLAY(旧株式会社ロジックロジック、以下:LL)に入社した上野さん。
動画配信領域特有の仕事のやりがいや技術的な面白さ、UIデザインに対するこだわり、ユーザーへの熱い思いを伺いました。

Androidアプリエンジニアとしてエンドユーザーを支える

大学生時代からAndroidアプリの開発をしていたと伺いました。初めてプログラミングに触れたのはいつですか?
上野:初めてプログラミングに触れたのは大学3年次の授業でした。情報系のプロジェクト演習でAndroidOSのシューティングゲームアプリを開発しました。
何を作るかも全く思い浮かばず、提出期限が迫り焦っていた中で、プロジェクトメンバーが持っていたプログラミングの雑誌に掲載されていたシューティングゲームをアレンジして提出したのですが、その時にプログラミングの面白さに触れAndroidアプリエンジニア職を志望し、就職活動を行いました。
就職活動の前にプロジェクト演習を経験されたことがターニングポイントだったんですね。
現在はチーフエンジニアとして活躍されていますが、技術力を伸ばすために行なっていることはありますか?
上野:あくまで個人的な考えですが、追い込まれた状況に身を置かないと成長しないと思っています。
例えば、大学時代に情報系の授業でテストがあったのですが所要時間が4時間くらいかかるものだったんです。でも、その日どうしても外せない予定があり、4時間かけてテストを受けることができず、効率を意識し20分程度でプログラミングを書き上げ退出した経験があります。火事場の馬鹿力ではないですけど、そういった経験を積み重ねることが技術力向上に繋がると思います。
動画配信に携わった経緯を教えてください。
上野:僕がLLに入社した2013年当時は、動画配配信事業はスタートしておらず、色々なサービス受託開発や運用を担っていました。入社して2〜3年後に動画ソリューション事業部が立ち上がり、立候補しました。

立候補した理由は、UI/UXにこだわるという事業部方針に惹かれたためです。
UI/UXは、老若男女どんな人が触れてもわかるように設計しなくてならないんです。
例えば、このマークをタップするとお知らせが表示される、再生マークをタップすると動画が再生されるなど、そういった根本の部分に携われると聞いて強い興味を持ちました。なので、当時は動画配信技術に携わることよりもUI/UXに本腰を入れて取り組めることを重視していましたね。
今携わっている案件はどういったものでしょうか?
上野:Huluをはじめとした動画配信サービスのAndroidOSアプリを開発しています。
Androidアプリ開発チームは僕を含めて4名、AndroidTVの開発チームは僕を含めて3名で構成されています。少数精鋭で密にコミュニケーションをとるように心がけ、チーフエンジニアとして、開発メンバーへの指示出しはもちろん、メンバーのフォローや自ら実装も行なっています。
今まではスピード重視で開発を行なってきましたが、連携不足や共有不足が課題として挙がっているので、今後は工数管理やドキュメント整備なども行い、効率化を図りたいと思っています。
動画配信業界に身を置いているエンジニアだからこそのやりがいは?
上野:一般的なAndroidアプリを作るのは、ネットに情報があるので、調べれば比較的簡単に作れる時代です。
しかし、動画配信特有の技術はなかなかネットに情報がない場合がほとんどです。
字幕を表示する実装は非常に細かくて、フレーム単位で0.01秒のズレを防ぐ処理を数週間かけることもあるので、技術者としてテクニカルな領域を処理できるのはやりがいがありますね。

技術的な話になりますが、字幕と映像は別々にファイルを用意して、映像を流しながら秒数に合わせてこの字幕を表示する作業を繰り返します。しかし、決められた秒数に表示するだけではシーンと字幕がズレることもあるので、それを防ぐために調整をしたり、Androidの特性を理解し処理を変えるなど試行錯誤の繰り返しです。こういった作業を経て、カチッとタイミングが合うと本当にやりがいを感じます。

あとは、リニューアル案件だからこそですが、既存のサービスよりも良いものを作らなくてはいけない。比べられるものだからこそのプレッシャーはありますが、その分やりがいも大きいです。カスタマーレビューで、「アプリをリニューアルして良くなった」と書いてあるとやはり嬉しいですね。マイナスコメントを見つけてしまうとショックを受けることもありますが、お金を支払って僕らが携わったサービスを使ってくれている人のダイレクトな声を聞けるのは大きなやりがいです。

UI/UXをトコトン考え、試行錯誤を繰り返す

これまでのお話からUI/UXを重視されていることが伝わりますが、UI設計はどのように行うことが多いのでしょうか?
上野:そうですね。お客様と打ち合わせを繰り返し、設計することが多いです。
打ち合わせでは、ケイパビリティの確認はもちろんですが、UIをどうするのかお客様と一緒に画面に触れます。実際に触れたことで挙がってくる細かなリクエストや課題をスプレッドシートなどで可視化し、改善作業を行い、お客様からフィードバックを頂くというサイクルですね。
AndroidやiOS、そしてWebサイトのフロント部分は目に見えるものなので、Webデザイナー的な要素もあるかもしれません。
UI/UXの勉強はどのようにされているんですか?
上野:勉強の時間をとるというよりは、空いた時間に競合他社の動画配信サービスをしっかり触って自社のものと比較しています。実際に触れていると、ミニプレイヤーが変わっていたり、スリープ時に再生音が自動で小さくなったり、視聴中のコンテンツを続きから再生する時、数秒巻き戻したシーンから再生していたり、細かいけれどユーザーに寄り添った機能を見つけることができるんです。
こういった機能を日頃から書き留めてお客様への提案に活用することも多々あります。

会社名の「PLAY」に込めた意味を体現したい

PLAYとして、上野さん個人として、今後成し遂げたいことはありますか?
PLAYとしては、LLとSUVTが持っているナレッジを共有し、アプリの開発手法を刷新していきたいと思っています。同じアウトプットでも、保守性が高い開発手法を取り入れるなど両社の知見を活かしたいですね。

個人的には、バランス感覚を養いたいと考えています。
今はAndroidアプリの開発を主に担当していますが、今後はサーバサイドとフロントサイドの開発も経験したいです。様々な技術を習得した上で周囲と連携しないと良いシステムは作れないと思っています。

仕事とは無関係な内容だと、車が趣味なので30歳までに尋常じゃない排気量のオープンカーに乗ることです。実現に向け、お金を貯めるために今は仕事を頑張ります。
会社名に強い思い入れがあると伺いました。
上野:PLAYという会社名が好きなんです。
実は、別候補もあったそうですが技術を強調した名前であまり好きじゃありませんでした。なので、動画を再生する、楽しむというシンプルな会社名になってよかったです。

僕は、エンドユーザーの人々に動画を楽しんでもらうのが最終ゴールだと思っていて、それを支えるエンジニアは裏側に徹するべきだと思っています。
普段何気なく触れている動画配信サービスの裏側で色々なシステムが動いていますが、それを意識せずにエンドユーザーの人々に動画を楽しんでもらいたい。動画というとエンタメのイメージを強く持たれがちですが、ゆくゆくは人々の生活のインフラになれたらいいなと考えています。