DAISUKE MIYAJIMA

EXECUTIVE DIRECTOR, COO

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KENJI SAITO

EXECUTIVE OFFICER

バックグラウンドが異なる2社がPLAYを作る。トップが語る「動画配信技術と近くの未来」

有料動画配信サービスはわたしたちの生活や行動を変え、いまや日本国内で1,750万人が利用する一大産業。(ICT総研「2019年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」より)

今回、動画配信サービスのパイオニアである株式会社ロジックロジック(以下:LL)とスキルアップ・ビデオテクノロジーズ株式会社(以下:SUVT)が合併し「株式会社PLAY」となるにあたり、取締役COOの宮島大輔(31)と執行役員の斉藤健二(47)が対談。

これからの動画配信サービスそのものや、関連したビジネスがどう発展していくのか、バックグラウンドが異なる役員2名が「技術 x 動画配信 x 未来」を語った。

宮島大輔: 取締役COO 事業本部長
2007年よりベンチャー企業にて、ソリューション事業の躍進を牽引。
2011年に株式会社ロジックロジック入社、戦略設計からデザイン、プログラミングまで
オールラウンダーとして活躍。2012年8月より同社取締役COOに就任。現在に至る。
東京大学経済学部卒。

斉藤健二:執行役員 事業副本部長
ソフトバンク株式会社のグループ企業にて、日本初のIPTVサービスの映像処理技術及び映像配信技術を担当した後、クラウド型映像配信プラットフォームサービスの技術責任者として技術開発及びサービス開発に従事。2012年にスキルアップ・ビデオテクノロジーズ株式会社に入社。
プロダクト開発責任者として、新規技術開発を継続して行い、2018年より同社執行役員に就任。現在に至る。
東京工業大学大学院修士課程修了。

人の可処分時間・行動設計を変える「動画配信サービス」の進化

まず、お二人が動画配信事業に参画した経緯を教えてください。
宮島:大学在籍時から学生ベンチャーで働いていました。20歳頃から事業のピボットのために受託開発を請け負ったのがIT業界に入ったきっかけです。そこから紆余曲折あってLLに入社しました。私が入社した当時のLLは動画配信に限らず様々なサービスやゲームの受託開発を行なっていましたが、2013年頃にスカパーさんとお仕事をしたのがターニングポイントとなり、その後徐々に放送業界の方々とのお付き合いの割合が増えていきました。「これから会社を大きくしていくために何をするのか考えた結果、動画配信に絞って力を入れていこう」と踏み込んだ結果、今に至っています。
宮島さんはベンチャー出身である一方、斉藤さんはソフトバンクBBに在籍し、日本のインターネット史を大きく変えるような時期のビジネスに関わっていたとか。
斉藤:もともとは大学院で原子核物理学の研究をしていましたが、2000年代前半にあるきっかけで大学院の先輩から紹介されたソフトバンク株式会社のグループ企業に入社しました。

当時のソフトバンク株式会社は、グループ内でADSLなどの固定通信事業を担っており、僕はその固定通信回線を利用して提供されるIPTVサービスの立ち上げプロジェクトに参画していました。

今でこそ、動画配信は一般の方にも普及していますが、当時は映像というとテレビかDVDぐらいしかなく、そこに「オンデマンド配信」という選択肢を与え、「動画を使って世の中の生活スタイルを変える」ことが、僕たちのミッションでした。

例えば、レンタルビデオ屋さんにビデオやDVDを借りに行って、視聴して返却するといった時間の使い方は、オンデマンド配信で動画を視聴できるようになると大きく変わりますよね?その行動を取っている人のすべてが、実は巻き込むべき潜在的なお客様かもしれない。「一般の方の行動設計をデザインする。」という、考え方を実現すべく技術領域を主に担当し、ビジネス・マーケティング面にも携わりました。

必然的に「やらないといけないこと」が生まれて、モチベーションが今まで続いてきた。スタートがビジネスドリブンなのは宮島さんと共通していますね。

デバイスとネットワークインフラの発達、そしてリッチになり続ける動画コンテンツ

動画配信業界において、技術面〜ビジネス・マーケティングまで幅広い領域を横断し、動画配信技術のパイオニアとして実績を残されたお二人ですが、私生活で「動画」が身近になったのはいつ頃ですか?
宮島:私は、まさにこの1年で動画が私生活に欠かせなくなりました。子どもにアニメを見せるため、それ以上でもそれ以下でもないです(笑)。私自身は、映画鑑賞が好きで映画館に行くことが多いです。
2018年生まれのお子さんは、当たり前のように動画配信サービスの恩恵を受けていますが、動画配信の黎明期から携わってきた斉藤さんとしてはいかがでしょうか?
斉藤:個人的に動画配信がどう生活に溶け込んでいるかよりも、やはりビジネス目線になってしまうのですが…。
2000年代後半には、YouTubeや大手テレビ局のオンデマンド配信など、様々なサービスが生まれましたが、それが爆発的に生活に溶け込んでいたかと言うと、そうとは言えませんでした。お金を払ってまで動画を見る習慣があまりなかったんです。それを大きく変えるきっかけになったのがスマートフォンとネットワークインフラの普及だと思います。

動画配信に耐え得るネットワーク回線や高性能でスタイリッシュなスマートフォンが普及したことで、一般家庭でもインターネット利用がスタンダードになり、高品質な動画を視聴する習慣が生まれました。

そういった習慣が浸透するとやはり、動画配信事業者も増加するんですよね。
昨今のOTT(Over The Top)による動画コンテンツ配信も相まって、動画配信に対するハードルが低くなったことも大きいと言えるでしょう。
デバイスやネットワークインフラの進化が動画配信の重要なファクターだったのですね。今後、動画配信ビジネスはどのように発展していくと予想しますか?
宮島:今後、動画技術はさらに洗練され、また多様化していくことが見込まれます。
現在の技術では動画が一番情報量の多いメディアですし、その状態がしばらくは続くはずです。それなのに、現在はまだまだテキストメディアが多い。そういった状態を踏まえても、動画の提供方法、表現方法が変わる余地がまだまだあるはずです。

間も無く始まる5G通信がきっかけになる可能性もありますよね。現時点で動画配信サービスの利用者数が国民の半数を超えていないようですが、間違いなくもっと増えると思います。
私は、何年かかるかわかりませんが最終的にはほぼ100%になると予想しています。テレビも含めて考えた時に動画を一回も見たことがない、という人は少ないと思います。まだインターネットでの動画視聴に馴染みがない人もいると思いますが、通信環境とともにその状況は変わっていくのではないでしょうか。

その時に、私たちがどういったクオリティでどういった配信技術を提供できるか、私たちは試されていくのだと思います。

動画配信や制作への参入ハードルが下がっているからこそ、お客様にとってプロフェッショナルな伴走者でありたい

今後もさらなる発展が見込まれる動画配信ビジネス。その中でLL・SUVTともに動画配信ビジネスをリードされてきましたが、合併したことでどのようなシナジーが生まれることを期待されていますか?
斉藤:LLとSUVTは同じ動画配信領域を扱い、時にはコンペでバッティングしたり、同一案件に対し協業会社として連携することもありましたが、実は事業領域が異なります。

LLの強みは、最高級なコンテンツを最もきれいに配信するプラットフォームの提供。大手テレビ局や映画配給会社様を筆頭としたお客様にリーチさせる、エンタメ系の花形にアプローチすることができる点です。

一方、SUVTは、動画を活用し新たなビジネスをスタートする企業様の支援に強みを持っています。例えば、教育系ビジネス。今まで動画を活用していなかった企業様が動画を用いる際、いきなりハイエンドかつ最先端の技術を高コストで導入するのは難しいので「動画を活用するにはどうすればいいのか」や、「動画を活用した結果、どのようなメリットが生まれのか」という観点からお客様と一緒にサービスをつくってきました。

ハイエンドな技術領域のソリューションが提供できるLLと、それを支えるための裾野を増やすソリューションを提供してきたSUVTが合併したことで、カバー範囲が広がることを期待しています。

宮島:ハイエンドな技術もおそらく3年後にはコモディティ化してしまう。そうなったと時に、こういった技術を裾野と例えたお客様にそのまま提供することができれば会社全体の底上げができますよね。現在は合併して日が浅いので、シナジーをすぐに感じることは難しいですが、LLとSUVTのお客様の層が違ったこともあり、お客様のリクエストに対してより柔軟に対応できるようになると思います。
PLAYのアイデンティティを確立するために、持つべき共通認識はありますか?
宮島:模範解答になりますが、プロフェッショナルじゃないとダメだと思っています。PLAYはBtoBビジネスですので、プロフェッショナルとして動画配信サービスをきっちり提供することや、与えられた仕事をしっかり全うするのはもちろん、頼ってくださるお客様に全力で応えなくてはいけない。

お客様の層によって、リクエストが全く異なります。テレビ局のような長年動画自体でビジネスをされているお客様は、動画配信のベースを理解されていて、おそらくやろうと思えば自分たちで完結できるはず。そんな中で私たちを頼っていただけるわけですから、その期待を超えるだけ、より詳しく、より最先端技術を磨かないといけないと思っています。
一方で、新たに動画を活用しビジネス展開を考えている企業様には、いかにしてわかりやすく伝えるかが重要です。ドキュメントをわかりやすく整理し、専門用語の羅列ではなく平易な説明を心がけるなど、お客様の求められている内容に合わせた立ち振る舞いが必要です。

共通しているのは、サービスを提供する上でプロフェッショナルである必要があるということです。これはPLAYで働く全員が同じ認識を持たなくてはいけない。

斉藤:すごく賛同します。お客様から頼られているのですから、言われたとおりにやるだけではなく、お客様に寄り添ってサービスを一緒につくっていく。プロフェッショナルとしてのある種のプライドは、全社員が持たなくてはいけないと思います。

宮島:わかりやすい例は、ライブ配信の代行。スマートフォンがあれば、誰でも簡単に動画の撮影や配信ができる時代になっている中、お客様はPLAYのライブ配信チームに依頼をしてくださる。その期待に我々は答える必要があります。そこに私たちの存在意義があるんです。必要とされるものを今後も提供し続けるために、成長し続けないといけないと強く思っています。

斉藤:合併前から下準備に力を入れてきたので、より早くシナジーを感じられるよう同じ方向を向いて成長し続けたいですね。